今回は、「草津 湯川の中和事業」についてお知らせしますね。見学可能です。

こんにちは。
円です、
さて、このお正月に、何度目かの草津温泉に行ってまいりました。
この癖のある湯、たまりません。
これまで、温泉めぐりを中心に観光してました。
この度、初めて、草津町ガイドツアーに参加してみました。
地元の方に案内していただいた町ガイド。
草津という街の歴史を感じることができました。
観光でいくだけでは、なかなか知ることができない事に触れましたので、シェアしますね。
前回は、古き良き湯治宿「勉強の宿 月洲屋」をご紹介しました
今回は、「草津 湯川の中和事業」についてお知らせしますね。
酸性が強い草津の湯川に、化学物質を投入して、中性にして下流に流しているんです。
正直「川に手を加えていいの~!? 中和なんかしちゃっていいの~!?」という感想を持ちました。
こんな事業があることを、知っていただければと思います。
内容
1)草津 白根山から流れ出る湯の酸性について
2)中和反応って覚えてますか?
3)湯川の中和事業について
4)中和工場見学できます
1)草津 白根山から流れ出る湯の酸性について
草津温泉が酸性湯であることは有名です。
火山に由来する硫化イオンが、雨水に溶けだして酸性になってしまうのです。
一番強いのは、白根山の湯釜で、pH1.2です。
pH・・高校の化学で習いました。水素イオン濃度のことです。
ややこしいので、値が低い方が酸性が強いと覚えてくださいね。ちなみに中性がpH 7 です。
たとえば、胃酸やレモン汁がpH 2辺りなので、pH 1.2 って、それより強酸。
実際に、草津温泉の源泉に、1円玉をつけてみてください。
徐々に溶けていくのがわかります。
一晩つけっぱなしにしたら、かなり薄く、小さくなってしまいますよ。
この強い酸性が、草津温泉においては、殺菌力を示し、多くの病を治してくれるのです。
だけど、酸性の川では、
①魚や生物は生息できない
②農作物や飲料に適さない
③鉄やコンクリートを溶かすので、建物や橋を損傷してしまう
という問題を抱えています。
このような川の周りで、人も生きてはいけないのです。
そのため、川を中和して、生物の住める中性に戻す必要があるのです。
2)中和反応って覚えてますか?
簡単に書きます。
酸性は、H+(水素イオン)
アルカリ性は、OH-(水酸化物イオン)
です。
酸性H+ と アルカリ性OH-を混ぜると、くっついて中性の水になるのです。

これが”中和”です。
草津温泉の湯川には、H+がたんまり含まれているので、これにOH-を加えてあげれば、生物がすめる安全な川になるのです。
3)湯川の中和事業について

草津中和工場では、アルカリ性物質として、石灰石粉(炭酸カルシウム)を使っています。
群馬県産です。
使う石灰石紛の量半端ないです。
一日55t、年間2万tです。
1961年から始まった事業なので、トータル量は、ものすごいですよね。
個人的に石灰石なくならないか、心配してしまいます。
ともかく、湯川に石灰石を混ぜ、川の水は 中和されながら、品木ダムに流れていきます。
大体、ここでpH 5.5になるそうです。
そのあと、ダムから、利根川の一大支流である吾妻川に流入します。
1961年以前には、「死の川」と呼ばれた吾妻川ですが、今では魚や生物が住めるようになりました。
これが、中和事業なのです。
24時間365日 中和されているんですよ。
4)中和工場見学できます
ガイド実施日:毎日 8:30 – 17:00 (土日祝日、夏季期間、年始年末を除く)
申し込み電話番号:品木ダム水質管理所 0279-88-5677 (平日のみ)
大体50分くらいのツアーです。
ぜひ、観光とは、ちょっと違う草津にふれてみてください。
円