
こんにちは。円です。
以前 薬物の簡易検査キットについて記事にしました。
数千円、数分で出来る方法で、犯罪や医療現場で使用される簡易的なものでしたよね。
陽性であるからかならず「起訴!」、 陰性であるから「逮捕してごめんね。釈放!」とはなりません。
キットを使った簡易検査には、偽陽性/偽陰性があるのです。
犯罪現場では、警察が調べて、裏を取ってから「任意同行」「逮捕」するわけです。
だから、尿を使った検査で「陰性」がでたからといって、警察があきらめるはずありません。
100%確信しているのです。
そこで本格的に科学捜査を行います。ドラマに、アニメに、本..カッコいいですよね~。
ちなみに、科学捜査は警察機関だけではなくて、民間委託もありますよ。
さてさて、尿検査の次に行われるのが、毛髪による精密な検査です。
タイトル通り、「毛髪は薬物履歴を、数年レベルで記憶している」のです。
毛髪は、その人が取り込んだ薬物をそのまま毛髪中に保持し、毛髪の成長と一緒に保持薬物も先端部に移動します。
だから、毛根から何センチのところで薬物が検出されるかで、その人が、大体何週間前、何か月前に薬物を摂取したか分かります。
おもしろいですね。
例えば、「1か月前にコカインを吸い、2か月前にアヘンとMDMAやったな!」ということが分かるわけです。
だから「毛髪はすべてを記憶する」ということなんです。
毛だといいので、頭髪でも、陰毛でも、わき毛でも、ムダ毛でもいいわけですが、頭髪は成長スピードが速いので、時間軸をみるのに適していますね。
が、上手の薬物常用者だと、定期的に体中のすべての毛を剃っている人もいるそうですよ。
そういった場合は、検査ができないので、警察は状況証拠&証言を集めて、自供を得るわけです。
あくまでも、裁判において、尿検査は「中くらいの証拠」、毛髪検査は「強い証拠」の一つってわけですね。
さて、この毛髪検査に間違いがないのか?という点ですが、あるみたいですよ。
それを説明するのにまず、毛髪に薬物が取り込まれるメカニズムを説明しますね。
(毛髪に薬物が取り込まれるメカニズム)
薬物が摂取される=>血液に入る=>毛細血管を介して栄養分と共に毛根に入ってくる=>=>毛が伸びる際に薬物とメラニンと結合したり、静電気的に薬物が毛の内部に蓄積する」という流れです。
ここも面白いのですが、結果メラニンの多い黒髪の方が、薬物を蓄積しやすいんですよ。
話を戻します。「メラニンが薬物と反応する」というところが重要なんです。
薬物が空気中を舞っていて髪にくっついた、としましょう。
毛は通常キューティクルでカバーされているのですが、それが剥がれていたりすると、まれに薬物が毛髪の外から物理的にメラニンとくっつくということなんです。
薬物を摂取していないのに、知らないうちに外から薬物が髪にくっついて、運悪く検出されちゃうわけです。
現に、米国の黒髪警官が、毛髪検査で「陽性」。そして、解雇。
この黒髪警官が、「薬物やってない!!」と訴訟中のケースもあります。
自分が誤認逮捕されたらどうしようと思いますが、コナン君的に「真実は一つ」です。
本当にやってないなら、状況証拠も他人の証言も出てこないでしょう。(そう信じたい!)
尿、血、すべての種類の毛を鑑定請求してみましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今回 薬物の毛髪検査の簡単なところをお話しさせて頂きました。
突っ込んだお話はまたの機会に!
円